参考書№327 登山の運動生理学百科

KG少佐

2013年06月05日 20:28

タイトル:登山の運動生理学百科
著者:山本 正嘉
出版社:東京新聞出版局
個人的お勧め度★★★★★

Exercise Physiology of Mountaineering and Climbing
遊歩大全」同様に何かと他書で引用されることの多い書籍。

登山で起こりうるあらゆる生理現象を年齢・性別・シチュエーションごとに科学的に解説。
また下界での様々なトレーニング方法も紹介されている。

興味深かったのは「筋肉痛」「登りで苦しい」「下りで脚がガクガクになる」「靴ズレ」などといったトラブルに対しては、普段の下界のトレーニングよりも山行頻度が多いことが有効であることは理解していたが、「膝関節痛」「腰痛」に関しては登山頻度に関係なく横並びの比率だったのは意外だった。過酷な運動で酷使されることによる「両刃の剣」的性質が要因だと書かれている。
その他の事象もイラストやグラフを多用しているので分かりやすい。

登山の医学」と合わせて読んでおきたい1冊。


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【目次】

■第1部:基礎編

第1章 登山と健康

第2章 登山と疲労
(1)登りでで起こる疲労
  <コラム>階段登高と登山のスピードくらべ
(2)下りで起こる疲労
(3)燃料切れによる疲労
  <コラム>何も食べられないときは?
  <コラム>冬山で身体が温まる食べ物
(4)オーバーヒートによる疲労
  <コラム>なぜ飲むなと言われたのか
  <コラム>何も飲めないときは?
(5)疲労の人体実験
  <コラム>山岳レーサーの食べ物・飲み物

第3章 中高年、女性、子供の登山
(1)中高年者の登山
(2)女性の登山
(3)子供の登山

第4章 登山と体力トレーニング
(1)登山に必要な体力とは
(2)登山に必要な筋力
(3)登山に必要な持久力
  <コラム>最大酸素摂取量とATの自己判定法
(4)どんなトレーニングを選ぶか
  <コラム>大学山岳部の体力トレーニング
(5)具体的なトレーニング方法
 a:持久力のトレーニング
 b:筋力のトレーニング
 c:柔軟性のトレーニング
 d:平衡性(バランス)のトレーニング
 e:減量トレーニング
 f:防衛体力のトレーニング
  <コラム>登山体力は健康体力そのもの

■第2部:発展編

第5章 クライミング
(1)フリークライマーの体力特性
(2)クライミング筋疲労
(3)トレーニング
 a:トレーニングに対する基本姿勢
 b:筋力のトレーニング
 c:筋の持久力・回復力のトレーニング
 d:全身持久力とトレーニング
 e:柔軟性のトレーニング
 f:休むことの重要性

第6章 高所登山
(1)低酸素とからだ
  <コラム>高所登山能力の個人差
(2)高所登山に必要な体力
  <コラム>メスナーのVO2max(※最大酸素摂取量)
(3)高所順化
  <コラム>低酸素室での順化トレーニング
(4)高所登山のタクティクス
  <コラム>高度別にみた高山病の現れ方
(5)高所純化の自己判定法
(6)高所技術
 a:息のしかた(呼吸法)
  <コラム>心身をリラックスさせる方法
 b:歩き方と休み方
 c:食べ方と飲み方
  <コラム>遠征後のリコンディショニング
(7)エベレスト無酸素登山の可能性
 a:実験室の中でのエベレスト無酸素登山
 b:実際のエベレスト無酸素登山の可能性

<付録>高所登山・トレッキング用の体調管理表


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