参考書№268 あぶない地名

KG少佐

2012年04月20日 19:28

タイトル:あぶない地名 -災害地名ハンドブック-
著者:小川 豊
出版社:三一書房
個人的お勧め度★★★★★

タイトル通り災害(地震、津波、洪水、地すべり、崖崩れなど)の起きやすい地名を解説。
一見すると当ブログと関係ないと思われるだろうが、山に関する内容が非常に多い。

例えば「サクラ」と読む地名は古語の「サ(狭)クラ(刳)」と推測され、山間部の狭い谷間の豪雨などで崩れやすい土地(平地に少なく山間部や高地に多い)であるという。
また全国に100以上存在する「愛宕山」も古語の「アタ(騒いで暴れる)」の転訛語と推測され、必ずといってよいほど急崖と崩壊痕跡があるという。
以前読んだ「山名の不思議」や「山の名前で読み解く日本史」と合わせて考えると面白い。

余談だが歌手「野口五郎」の芸名の元になった「野口五郎岳」などの「五郎」という地名は、大きな石や岩がゴロゴロと転がっている場所の「ゴーロ、ゴウロ」からきていることは山ヤなら知られた話。

3.11の震災以降、自分の土地の履歴を調べることが多くなっていると以前テレビで見た。
その後すぐ役所に行き古地図を閲覧して安全性を確認した。
(豪雨による水害のハザードマップは随分前に入手済)

これほど災害に関する地名を詳しく解説している書籍はなかなか無いのではないだろうか。
一つ一つの地名ごとに具体的な住所が掲載されている点も良い。

これから起こりうる災害に対してと山の知識の両方が得られるお勧めの1冊。


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【目次】

※コラムのみ抜粋

あ行
・土地や岩石の崩壊性と色
・小豆島
・愛宕山と土砂災害
・日本の山名ランキング
・多摩川と地名
・ウメ地名と地すべり
・土地の履歴情報を得る方法①

か行
・カ、キ、ク、ケ、コは「処(所)」の接尾語
・土砂災害の方言
駒ヶ岳という山

さ行
・足摺岬と佐田岬

た行
・茶臼山と災害地名
・トコロの表現
・土地の履歴情報を得る方法②

な行

は行
・東京都西武のハケ
・ハ行と崩壊地名
・日浦地名の分布
・局地的に集中する地名
・土地の履歴情報を得る方法③

ま行
・土地の履歴情報を得る方法④

や行 ら行 わ行
龍の字がつく山
・土地の履歴情報を得る方法①⑤



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