以前読んだ「
マタギとは山の恵みをいただく者なり」と同じ田中康弘氏の著書。
各地の里山で起きた不可思議&奇々怪々な出来事を取材してまとめた短編集。
大部分が
マタギ関連なので昔の話かと思いきや、つい最近のものまであって驚く。
「
黒部の山賊」にもあったタヌキの擬音も今では時代に合わせてチェーンソーの音を出すという。
作り話の怪談などとは違ってリアリティがあるので状況を想像すると背筋がゾッする
列の最後尾・・・揚物を山に持って・・・など、気を付けようかと思いかけたw
あの大〇教授の肩を持つ訳ではないがオカルト現象の大半は脳内現象か科学的に説明ができると思っている。だからその手の番組を大笑いして見ていると「何がおかしいの?」と不思議がられる。
だがその反面「あったらいいな」と思う自分もいる・・・
山で唯一不思議だなぁと思った体験は以前にも書いた覚えがあるが、北岳を登山中に肩の小屋に差し掛かった辺りで心肺停止で山小屋スタッフに
CPRされていた年配男性がそのまま死亡。当日は悪天候のためヘリによる収容も出来なかった。その後に自分の
テントのすぐ横に遺体を安置した黒テントが張られた。暴風雨の中、少し気にしつつも疲れから眠りにつくが、ふと目が覚めるとあれほど酷かった風がピタりと止んでいる。
腕時計で時刻を確認すると丑三つ時の午前2時ジャスト・・・ちょっとビビりながら外へ出て黒テントを確認。何だか呼ばれたような気がして念仏を唱えてからテントに戻る・・・10分もしない内にまた暴風雨に戻るがその後は怪奇現象?もなくグッスリ就寝(翌朝はヘリでの収容のため早朝からテントを強制撤収させられた)
世代交代で里山の伝承が途切れてきた現代にこういった書籍は非常に貴重な存在。
各話が興味深く簡潔なのでサクサク読める。秋の夜長にお勧めの1冊。
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